1. はじめに:認知症ケアの「困った」を、優しいアイテムで解決するヒント
認知症が進んでいくと、大切なご家族様の行動や、できることに少しずつ変化が見られるようになります。
- 「お出かけしたまま、迷子になってしまったらどうしよう……」
- 「大事なものをどこかにしまい忘れて、お互いにハラハラしてしまう」
- 「お薬をちゃんと飲めているか心配」
ご家族様も施設のスタッフも、こうした日々の「どうしよう」に直面することがありますよね。
そんな時、ただハラハラしながら見守るのではなく、便利な「サポートアイテム」を上手に頼ってみませんか?アイテムを味方にすることで、ご本人様の「自分でできる!」というプライドを守りながら、みんながホッと安心できるケアの道が開けます。
2. 認知症ケアで大活躍!お守りになる「4つのアイテム」
① 徘徊対策グッズ:お互いの「安心」をそっと確保する
認知症の方にとって、長年見慣れたはずの場所でも、ふとした瞬間に迷子になってしまうリスクはつきものです。ご本人様の安全を守り、送り出すご家族様やスタッフの心の負担を軽くしてくれる心強いアイテムがあります。
- GPS追跡デバイス スマホと連動して、今どこにいるかをリアルタイムで教えてくれる小さな機械です。最近では、キーホルダータイプだけでなく、靴のインソール(中敷き)にすっぽり入るものなど、身につけやすい工夫がされた製品がたくさんあります。
- 緊急連絡カード・シール お名前や緊急連絡先、かかりつけのお医者様などを書いたカードやシールです。お財布や上着、いつも使うカバンなどにそっと忍ばせておくだけで、万が一迷子になって保護された時にも、スムーズに連絡がつくため安心です。
② 物とられ・紛失防止グッズ:ご本人のプライドと笑顔を守る
認知症の症状のなかに、大切なものをご自分でしまい込んだことを忘れて、「誰かに盗られた!」と身近な人を疑ってしまう「物とられ妄想」というものがあります。疑ってしまうご本人様も、疑われるご家族様も、どちらも胸が痛むつらい状況ですよね。
そんな時は、ご本人様が「自分で見つけた!」という達成感を持てるアイテムがおすすめです。
- キーファインダー(忘れ物防止タグ) 鍵や navigationお財布などにつけておき、スマホのボタンを押すと音で場所を教えてくれるアイテムです。 「どこにいっちゃったかしら?」と一緒に探すとき、音が鳴る方を頼りにご本人が自分で見つけられると、「あら、こんなところに隠れてた!ウフフ、私がしまい込んじゃったのね」と、誰も悪者にすることなく、笑顔で解決できるハッピーな結果につながります。
③ 服薬管理グッズ:「自分でできた!」という自信をサポート
お薬の飲み忘れや飲み間違いは、健康に直結するからこそ、絶対に防ぎたいポイントですよね。 でも、すべてを周りの人が管理してしまうのは、ちょっぴり寂しいもの。服薬グッズは、ご本人様が自分の力でお薬を飲むための「お手伝い」をしてくれます。
- 服薬カレンダー・ピルケース 曜日や時間ごとにポケットにお薬をセットできるカレンダーや、色分けされたケースです。最近では、リビングに置いても違和感のない、おしゃれでスタイリッシュなデザインのものがたくさん出ています。 ご自身の力でお薬を管理できることは、「まだまだ私、大丈夫!」という自信や、頭の体操にもつながっていきます。
④ パズル・塗り絵・脳トレ:楽しみながら「できた!」を引き出す
日々の生活に「楽しい!」「できた!」という達成感を取り入れることは、心の安定にとても大切なことです。
- 大人のパズル・塗り絵・ドリル 大切なのは、ご本人の今の力や好みにぴったり合う難易度のものを選ぶことです。 特に塗り絵は、完成するとお部屋に飾りたくなるほどの素敵な作品になることも!施設で仕上げた作品をご家族様に見てもらったり、みんなが見える場所に飾ったりすることで、最高のコミュニケーションのきっかけになります。
以前、あるご入居者様が、ご自身が完成させた塗り絵を見て、「きれいやねぇ〜。誰が描いたんだろう……あ、私や!」と、とっても驚き、嬉しそうにされていたことがありました。 「すごい、とっても素敵ですよ!」というスタッフの声かけに、照れくさそうに、でもとても誇らしげに微笑まれたお顔は、今でもすぐに思い出せます。
3. おわりに:アイテムは「一緒に、穏やかに暮らすため」の魔法
認知症ケアで便利なアイテムを使うことは、決して楽をしているわけでも、冷たいわけでもありません。
それは、ご本人様が持っている「できる力」を最大限に応援し、日々の生活に喜びと安心を取り戻すための、とっても優しい工夫です。
ご家族様も施設のスタッフも、一人で、一部署で抱え込まず、こうしたアイテムを上手にシェアしながら、大切な人と過ごす「豊かで穏やかな日々」を一緒に紡いでいけたら素敵だと思います。



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