1. はじめに
高齢者施設への入所準備。 その中でも、いちばん迷いやすいのが“衣類”ではないでしょうか。
- どんな服を持っていけばいいのか
- 前開きじゃないとダメなのか
- パジャマや肌着は何枚必要なのか
- 施設の洗濯で傷まない素材はどれなのか
初めての準備では、こうした不安が次々と出てきます。
この記事では、施設職員としての経験から、 ご本人にも職員にもやさしい衣類の選び方 を、理由とともにわかりやすくまとめました。
少しでも安心して入所日を迎えられるよう、お手伝いできれば幸いです。
2. 施設職員のほんね:施設で求められる衣類とは
衣類は“その人らしさ”が出る大切なもの。 だからこそ、施設でもできるだけ普段の生活に近い服装をしていただきたいと思っています。
ただし、施設ではご家族やご本人が洗濯するわけではないため、 選ぶポイントが少しだけ変わります。
● 洗濯頻度
施設では、入浴日や汚れたタイミングで衣類を交換します。 失禁や食べこぼしがあると洗濯回数が増えるため、洗い替えは多めに必要です。
投稿を編集 “老人ホームでの洗濯、大切な衣類を「長く、素敵に」着続けるためのヒント” ‹ 施設のほんね帖 — WordPress
● 汚れやすさ
高齢になると、
- 指先の動きが難しくなる
- 尿意・便意を感じにくくなる などの理由で、衣類が汚れやすくなります。
● 着脱のしやすさ
腕が上がりにくい方は、前開きでない服をとても負担に感じます。 肌着の袖が上がってしまう不快感を覚えたことのある方も多いのではないでしょうか。
伸縮性のある肌着は、こうした小さなストレスを減らしてくれます。
● 職員の介助のしやすさ
拘縮や麻痺がある方の更衣では、身体を動かすよりも衣服を伸ばして着せるほうが負担が少ないです。 そのため、伸びる素材・少し大きめのサイズがとても助かります。
● 肌への負担
乾燥しやすい高齢者の肌には、
- タグ
- 硬い縫い目
- 粗い繊維
が刺激になり、痒みや皮膚トラブルにつながることがあります。 タグなし・柔らかい素材が安心です。
3. 衣類の選び方(ポイントごとに解説)
● 前開きの服が良い理由
腕が上がらない方、痛みがある方にとって、かぶりの服は大きな負担です。 前開きなら、腕を上げずに着替えができます。
介護用の衣類には、
- 大きめのボタン
- マジックテープタイプ
など、細かい動作が難しい方でも使いやすい工夫があります。
● 伸縮性のある素材が良い理由
更衣介助では、衣服を“動かして”着せることが多いため、伸びる素材は必須です。 繊維が「ブチッ」と切れる音を聞かずに済む、職員にもご本人にもやさしい選択です。
● タグなし・肌に優しい素材が良い理由
乾燥した肌は少しの刺激でも痒みや傷の原因になります。 長時間座って過ごす方は、繊維の粗さが肌トラブルにつながることも。
タグなし・綿素材・柔らかい生地が安心です。
● 洗濯に強い素材が良い理由
施設では大型洗濯機・乾燥機でまとめて洗うことが多いため、 丈夫で乾燥機OKの素材が長持ちします。
4. 例えばこんな衣類はどうでしょうか
● 介護用パジャマ
- 前開き
- 大きめボタン or マジックテープ
- 乾燥機OK
- 伸縮性あり
ご自身で着替える方はボタンタイプ、細かい動作が難しい方はマジックテープタイプがおすすめです。
● 肌着(グンゼ 快適工房)
施設で圧倒的に使用率が高いブランドです。
- 肌にやさしい
- 洗濯に強い
- シンプルで使いやすい
安心して選べる定番品です。
● 滑りにくい靴下(KISS MY LIFE)
- 滑り止めつき
- 締め付けがゆるい
- 名前記入欄つき
施設での使用率も高く、転倒予防にも役立ちます。
● 洗い替えの目安
- パジャマ:3着
- 肌着:5組
洗濯頻度が高いため、衣類は“消耗品”と考えると気持ちがラクになります。
5. プラスアルファの小物
衣類以外にも、あると便利なものがあります。
- タオル(速乾・丈夫なもの)
- コップ(持ちやすい形)
- ティッシュ
- 保湿クリーム
ティッシュや保湿クリームは、普段使っているものをそのまま持ち込んで大丈夫です。
6. まとめ:安心して入所日を迎えられるように
施設への入所は、新しい生活のスタートです。 ご本人もご家族も、不安や戸惑いがあって当然です。
でも、必要なものが揃うと、心が少し軽くなります。 衣類は毎日使うものだからこそ、ご本人にとっても職員にとってもやさしいものを選んでいただけたらと思います。
新しい生活が、少しでも安心で穏やかなものになりますように。



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