「何を持っていこう?」施設職員が教える、ご入居者様に本当に喜ばれる差し入れのコツ

日々の生活・面会

1. はじめに:差し入れに込めた、温かいお気持ち

「施設で過ごすご家族様に会いに行く時、手ぶらでは少し寂しいかな?」 そんな風に、何か喜んでもらえるものを持っていきたいと思うのは、とても自然で優しいお気持ちです。

お好きだったお菓子や、季節を感じるお花、冷えないようにと選んだショール……。その「良かれと思って選んだ贈り物」が、より安全で、ご入居者様の笑顔につながるものとなるように。今回は、施設職員の視点から、喜ばれやすい差し入れのヒントをお伝えします。

2. 事前の確認が「安心」の鍵:施設職員の本音

手土産の定番といえば「食べ物」ですが、実は一番気をつかうポイントでもあります。

お菓子やパンは人気がありますが、お体の状態や飲み込む力(嚥下機能)は、思っている以上に変化しやすいものです。「柔らかいから大丈夫」と思っていたクリームパンが、実は今の状態では飲み込みにくかった……ということも少なくありません。 また、糖尿病や腎臓病などの持病により、医師からカリウムや塩分の制限が出ている場合もございます。

せっかくお持ちいただいたのに「今は食べられないんです」とお返ししなければならないのは、私たち職員にとっても、胸が痛む瞬間です。 ご本人の目の前で「もったいないから、あなたが食べて」と、食べられないご本人の前で召し上がることになり、気まずい思いをされるのも悲しいですよね。

3. 解決策:迷った時は「形に残るもの」もおすすめです

一番のベストは、事前に施設へ「食べ物を持っていきたいのですが、食事制限などはありますか?」と一言ご確認いただくことです。それだけで、私たち職員も安心してお迎えできます。

もし確認が難しい場合は、「形に残るもの」を選んでみるのはいかがでしょうか。

  • おすすめの例:ひざ掛け、ショール、ハンドクリーム、お花、タオル
  • 特におすすめなのが「写真」です
    • 親しい方の近況や、昔ご一緒した思い出の場所の「今の風景」などは、会話のきっかけにぴったりです。「ここはこんなに変わったんだね」と、思い出話に花が咲き、面会の時間がぐっと豊かになります。
    • お写真は、私たち職員との会話の種にもなります。「昔の〇〇様、とても素敵ですね!」と、日常に新しい笑顔が生まれるきっかけにもなるのです。

4. 気をつけるポイント:長く愛用していただくためのコツ

ハンカチやひざ掛けなどをお選びいただく際は、「お洗濯のしやすさ」を少しだけ意識していただけると、とても助かります。

施設では、大型の洗濯機や乾燥機を使用することが一般的です。手洗いが必要なデリケートな素材だと、生地を傷めてしまうことを恐れて、使いたくてもなかなか使えない……ということがあります。 お洗濯しやすく、乾燥機にも対応できるものなら、私たちも「これ、素敵ですね。今日から使いましょうか!」と、日常の中で積極的にお勧めしやすくなります。

また、あらかじめお名前(イニシャルでも素敵です)を書いていただけると、これ以上なく助かります。 マジックで職員が書くよりも、ご家族様が書いてくださったお名前の方が、そのお品物の雰囲気を壊さず、ご入居者様もより愛着を持って使っていただけるはずです。

5. まとめ

面会は、施設で過ごすご入居者様にとって、日々の生活を彩る「一大イベント」です。 そこに差し入れが加わると、その日だけでなく、その後も何日も楽しみが続きます。

大切にしたいのは「何を持っていくか」よりも、「その人を想って選ぶ」というご家族様の心です。ただ、どうしても「何か持っていかなきゃ」と気負う必要はありません。会いに来てくださったこと、それが何よりの贈り物なのです。

食べ物を差し入れする時だけ、少しだけ事前に確認してみてください。 皆様の面会時間が、より温かく、穏やかなひとときとなりますように。

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