1. 連絡が少ないと、不安になるのは自然なこと
施設に入居すると、どうしてもご家族様との距離が生まれ、以前のように様子が分かりにくくなります。 「昨日は元気だったのかな」「ちゃんと食べられているのかな」——今まで当たり前のように分かっていたことが急に見えなくなると、不安になるのはとても自然なことです。
施設側には多くの入居者様を支えている事情がありますが、ご家族様の気持ちとは別の話です。 施設にとっては“日常の一コマ”でも、ご家族様にとっては大切な方の暮らしそのもの。 連絡が少ないと、「うちの家族は大事にされていないのでは…」と感じてしまうのも無理のないことだと思います。
2. 連絡が少ない=大事にされていない、ではない理由
多くの施設では「異常があった時に連絡する」という運用が一般的です。 そのため、
- いつもより寝つきが悪かった
- 昼食を少し残した
- なんとなく元気がないように見える
といった小さな変化は、日常生活に支障がなければ連絡が入らないこともあります。
連絡が少ない、あるいは全くないという状況は、決して“放置”ではなく、むしろ「大きな問題なく安定して過ごせている」というサインであることがほとんどです。 いわゆる「便りがないのは良い便り」という考え方ですね。
ただし、この“施設側の当たり前”がご家族様に伝わっていないと、不安だけが積み重なってしまいます。 双方にとって良い環境をつくるためにも、連絡についてのすり合わせはとても大切です。
3. “どの程度の連絡がほしいか”を事前に伝えると安心につながる
連絡頻度や内容は施設ごとに異なります。 だからこそ、ご家族様が望む連絡のレベルを事前に伝えておくと、施設側も対応しやすくなり、双方のズレが減ります。
例えば、次のような希望があります。
- 毎日の様子を知りたい
- いつもと違う様子があれば知らせてほしい
- 転倒・発熱など体調の変化があれば連絡してほしい
- 命に関わる急変時や骨折など緊急時のみで良い
ここからは、それぞれのレベルを少し詳しく説明します。
● 毎日の様子を知りたい
「毎日連絡してほしい」という意思表示になります。 入所直後の不安が大きい時期や、看取りが近い場合など期間を区切ると、施設も対応しやすくなります。
● いつもと違う様子があれば知らせてほしい
日々の中で職員が「少し気になるな」と感じた時に連絡が入るイメージです。 受診が必要なほどではない体調の変化や、「食べたくない」「死にたい」など精神面の変化も含まれます。
● 転倒・発熱など体調の変化があれば連絡してほしい
事故(転倒・打撲など)や、発熱・嘔吐など医師の受診や看護師の判断が必要な場合に連絡が入ります。 変化がなければ連絡はないため、ここでも「便りがないのは良い便り」となります。
● 緊急時のみで良い
命に関わる急変や、骨折など緊急性の高い場合に連絡が入ります。 連絡が来た時は“緊急”という明確なサインになります。
4. 連絡方法:連絡手段も事前に決めておくと安心
ご家族様にも「連絡がつきやすい時間帯」や「望ましい連絡方法」がありますよね。 これを事前に伝えておくことで、施設側も迷惑にならないよう配慮しながら連絡できます。
例えば、
- 平日の日中は電話に出られない
- 12月は繁忙期なので、緊急時以外の連絡は避けてほしい
- 電話よりメール・LINEの方が助かる
- 第一連絡先につながらなくても、緊急時以外は第二連絡先にかけないでほしい
- 第一連絡先の私が出られなくても、夫が出たら内容を伝えてほしい
このように具体的に伝えておくと、施設側もスムーズに連絡できますし、双方のストレスが減ります。
5. 不安は“伝えていい”。連絡のすり合わせはご本人の安心にもつながる
ご家族様の不安は、面会時の表情や言葉を通してご本人様にも伝わります。 ご家族様が安心していると、ご本人様も穏やかに過ごしやすくなります。
施設とご家族様は、ご本人様の生活を支える大切なチームメイトです。 小さな不安でも、遠慮せずに伝えていただくことで、より良い関係が築けます。
少しでも不安が軽くなり、ご家族様とご本人様が安心して過ごせる時間が増えますように。



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