1. はじめに
「本当は来てほしいけれど、施設にいるから無理だよね…」 そんなふうに悩まれるご家族様は少なくありません。
ですが、実は結婚式やお葬式などの“行事への外出”は、可能なケースが多いのです。 ただし、いつもの外出よりも時間が長く、体力的な負担も大きくなりやすいため、事前の相談と準備がとても大切になります。
この記事では、行事に参加する際の流れや注意点、当日のポイントをやさしくまとめました。 ご家族様の安心につながれば幸いです。
2. 外出はできる?まずは施設に相談を
施設によって対応は異なりますが、行事参加の外出は前向きに検討されることが多いです。 施設は「生活の場」であり、外出を一律に禁止することはありません。
ただし、病状によっては負担が大きいと判断され、 「一度、主治医に相談してみましょうか」 と提案される場合もあります。
外出の希望を伝えるときは、 「〇月〇日に結婚式があり、祖母にも参加してほしいので外出をお願いしたいです」 と、できるだけ早めに伝えることがポイントです。
施設側は、
- ご本人の体調
- 医療的ケアの有無
- 移動手段
- 付き添いの人数
- 当日の薬の管理 などを確認し、外出が安全に行えるかを一緒に考えてくれます。
3. 外出前に準備しておくこと
3-1. 医療的ケアや介助が必要な場合
酸素、インスリン、胃ろう、褥瘡ケアなど、医療的ケアが日常的に必要な場合は、事前に医師や看護師へ相談しておくと安心です。
「大切な行事だからこそ、出先でトラブルは避けたい」 そんなお気持ちに寄り添いながら、看護師が必要な注意点を教えてくれます。
ご家族様だけでは不安な場合は、看護師の付き添いを依頼するという選択肢もあります。
車いすを使用する場合は、
- 車いすの貸出
- 操作方法
- 段差や長時間移動の注意点 なども確認しておきましょう。 事前に少し操作を体験しておくだけでも、当日の安心感がぐっと高まります。
また、長時間の外出では排泄の心配も出てきます。 オムツ交換に不安がある場合は、
- 外出時間に合わせた交換タイミング
- 大きめパッドの使用
- 汚れ物の処理方法 などを、職員に遠慮なく相談してみてください。
3-2. 移動手段の確保
移動手段は、
- ご家族の車
- 介護タクシー
- 車いす対応のレンタカー など、いくつか選択肢があります。
介護タクシーは事前予約が必須で、通常のタクシーより料金が高めです。 一方、ご家族の車を使う場合は、乗り降りの介助方法を施設で教えてもらうと安心です。
車いすのまま乗車できる車を使う場合も、
- 乗車・降車の方法
- ベルトの固定 などを事前に確認しておきましょう。
3-3. 外出許可書・持ち物の準備
施設によっては、外出届の提出が必要な場合があります。 事前に確認しておきましょう。
持ち物の例
- 予備のオムツ
- タオル
- 水分
- 常備薬
- 施設の連絡先
薬は「何時に飲むものか」「食前か食後か」など、看護師に確認しておくと安心です。 また、体調の変化や帰りが遅くなる場合に備えて、施設の連絡先は必ず控えておきましょう。
4. 当日の流れと気をつけたいポイント
4-1. 時間配分
結婚式は長時間になりやすく、お葬式は移動が多いなど、身体への負担が大きくなりがちです。
「全部に参加したい」というお気持ちはとても自然ですが、 “大事な場面だけ参加する”という選択も立派な参加の形です。
途中で休憩を挟みながら、ご本人のペースで過ごせるようにすると、より良い時間になります。
4-2. 服装の相談
行事に合った服装を選びつつ、体温調節しやすい服だと安心です。 車いすで過ごす場合は、ひざ掛けがあると快適に過ごせます。
当日の服を前日までに施設へ預けておくと、 朝の更衣介助がスムーズになり、出発が慌ただしくなりません。
5. 参加が難しい場合の代替案
体調や医療的ケアの状況によっては、外出が難しいこともあります。 その場合は、次のような方法もあります。
- 結婚式のオンライン参加
- 別日に写真撮影だけ行う
- 式の前にドレス姿を見せに行く
- お葬式は弔電やメッセージで気持ちを伝える
当日その場にいなくても、気持ちを届けることで満足感を得られることも多いです。 無理をしない形で「大切な場面だけ参加する」ことを大切にしていただければと思います。
6. 施設職員の“ほんね”
職員も、 「ご家族の大切な行事に参加してほしい」 という気持ちを持っています。
ただし、安全に外出していただくためには準備が欠かせません。 早めの相談があるほど、職員も安心してサポートできます。
帰ってこられた際の思い出話を聞くのは、職員にとっても嬉しい時間です。
7. まとめ
施設に入所していても、結婚式やお葬式への参加は可能なことがほとんどです。 ご本人の体調と施設の意見を聞きながら、 「早めの相談」と「無理のない計画」を心がけていただければ、安心して当日を迎えられます。
ご家族様の大切な行事が、温かい時間になりますよう応援しております。



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